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夢と現実の狭間

私は、眠っているときは毎回夢を見ています。

1回の睡眠で2、3個(という数え方があっているかはわかりませんが)見ます。


夢の中で「これは夢だな」ってわかっていることも多くて、眠りが浅いようです。



夢だとわかっていながら行動する夢を「明晰夢」というそうですが、先日はその逆のような、現実のはずなのに夢のような感覚に陥る経験をしました。


夜、永遠に続く山道

学生時代の友人と遊ぶために、県央の方まで出かけていた帰り道、17時過ぎ。

すごくいい天気だったからか、空の明るさが奇妙で、朝方みたいな空色でした。


それまで淡々と、1時間くらい車を走らせていたのですが、だんだん細い道に入っていました。


方向音痴な私はナビに従う以外の選択肢を取れず、「早く大通りに出ないかなぁ」くらいの気持ちだったのですが、街灯も減っていくばかり。



さらに進んでいると、気づいたら山道に入っていました。

角度を緩くするための、クネクネとした独特の地形になるまで気づかなかったのですが、かなりの高さを登っていました。

イメージはこんな感じです。もっと木が高くて真上にしか空は見えなくて。


それだけでも十分「怖いなぁ」と思っていたのですが、本当に長くて終わりが見えなくて、おかしいなと思い始めました。



さらに不安が加速したのは、前には全く車がいないのに、後ろには何台も続いていたことに気づいた時でした。


追いかけられてひたすら逃げる夢、見たことありませんか?

その感覚に陥って、「夢?現実?」と狭間を彷徨っている気分になりました。


安堵しきれない感覚

景色がひらけた時に、やっと降りれると思ったのですが、そのあまりの高さにびっくりしました。

登りが長かったのと同じように下りも長くて、また半分夢の中。


山から抜け出した時にやっと前の車が見えて、ぬるっと現実に戻ってきました。



後からナビで確認したところ、知らぬ間に筑波山の一部を越えていたようでした。

そりゃあ高くて当然ですね…(笑)


いつも現在地を全く把握せずに運転しているので、筑波にいることすら知らず…



それを知っても、やっと気が抜けたのは家に入ってからで、今でも「あれはなんだったんだろう」と思っています。


人に伝えられないモヤモヤ

ちょうど母から電話があったので伝えたのですが、うまく伝えられず、「疲れてたんじゃない?大丈夫?」と心配されてしまいました(笑)



よく考えたら、「夢のような感覚」と言っても、まずそもそも夢を滅多に見ない人もいます。

それに、自分と他の人の夢を見る感覚が同じかどうかは確かめようがありません。


今も書きながら、「この感覚が伝わる人はいるのだろうか」と思っています。

伝わらないもどかしさでモヤモヤしています。



私は毎日夢を見ますし、それが明晰夢であることも多いのですが、数年前までそれは「みんな同じ」だと思っていました。

どちらも他の人に驚かれて、「夢を見ない人っているんだ!」「明晰夢って珍しいのか!」と衝撃を受けたことを今でも覚えています。



でも感覚が人に伝わらないのは、夢に限らない話だなと思いました。


自分にとって当たり前な感覚も、実は人と全然違うかもしれない。

私はふと、「自分が見ている色と他の人が見ている色が全然違くても気づかないかもなぁ」とか考えることがあります。



自分と相手で感覚が同じとは限らない。

これを常に頭の片隅に置いて、人と関わることで、自分の視野がパッと広がることがあるんじゃないかなと思います。


この「人に伝えられないモヤモヤ」は解消しようとするより、他の人も抱いている気持ちかもしれない、と大切にしていきたいです。



池之上

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