「大人の背くらい大きな絵を描いてみたい!」
- 真澄 鯉沼
- 4月10日
- 読了時間: 4分
更新日:5 日前
ある女の子が、そんな希望を伝えてくれて、この春休みに実践してみました。
詳しく話を聞いていると、ただ大きければいいというものでもなく、イメージしているものがあるようでした。
みんなで(できるだけ大人数で)描きたい。
「大好きの木」を描きたい。
…「大好きの木」とは?
希望を伝えてくれた子のお母様によれば、何かの本から知ったアイディアだそうなのですが、調べても聞いても見つけられませんでした。
さっそく準備
本人に具体的に内容を聞いてみると、丁寧な説明と素敵な想いを伝えてくれました。
『 「大好きの木」は、最初は枝だけあるんだけど、葉っぱの代わりにみんなの好きなものを描いていいの。葉っぱと関係なくても、好きなものとかなんでもいいんだ。動物とか乗り物とかキャラクターとか描いてもいいよ。
一個だけダメなことがあって、人が傷つくものとか言葉は描いちゃだめ。ルールはそれだけかな!
みんなの大好きなものが集まったら素敵でしょ! 』
一言一句とは言えませんが、大体こんな説明をしてくれました。
人が傷つくものはダメ、シンプルでわかりやすく、一番大切なことだなぁと感じました。
いざ実践!
とにかくやってみよう、の勢いで、模造紙を2枚くっつけて大きな紙を作りました。
木の幹は「先生が描いて」とのことで一緒に描かせてもらい、次の日には壁に貼ってみました。
提案してくれた子以外はみんな「何これ?!」と良い反応。
普段はなにも貼っていない壁に木の幹だけがあるのは不思議な光景でした(笑)
「自分が好きなもの、描いていいよ!」
とざっくりとしか説明しなかったのですが、子どもも、スタッフも、学生さんも、いろんな人が「描いてみようかな」と少しずつ描いてくれました。
木の幹に合わせて桜の花びらを描いたり、木の上の空を思い浮かべて雲や雨を描いたり、木に関係なく好きなキャラクターを描いたり、思い切って絵ではなく手形を押してみたり…
みんなで少しずつ描いて、どんどん紙が埋まっていく様子は、なんだか見ていて心が温かくなりました。
やってみた結果
子どもたちが通りがかった時に何気なく立ち寄って描いていく、面白いスペースができたなぁと思いました。
提案してくれた子もだんだん絵が増えていく様子を見て「これは誰が描いたの?」と気にしてはニコニコと。
みんなの絵に触れて笑顔になる、その子の素敵な人柄も改めて感じました。
しかし実は、私の中でもっと入念に準備するべきだったという反省があり、現在は壁から絵を外しています。
絵を描きに来た子にだけ、個々に「好きなものを描く木なんだよ」「人が嫌がることは描かないでね」「人の絵がないところに描こうね」と説明をしていたのですが、せっかく明確にルールを伝えてくれていたのに、何も掲示をしていませんでした。
すると、スタッフが誰も気づかぬ間に、キャラクターの顔の上にバツ印が一つ…
それがどんな思いで描いたバツ印かわからず、良いも悪いも何とも言えません。
極端な話かもしれませんが、宝の地図ではバツ印は良い印です。
あるいは、描いた子はバツではない何かを描いたのかもしれません。
それでもそのキャラクターを描いた子がこれをみたら、傷ついてしまう。その時点で「大好きの木」にはなりきれなかったのかな、と感じました。
「大好きの木」を描きたい、という最初の希望にどれくらい添えたのかはわかりませんが、温かい気持ちになり、楽しんでいる姿が見られ、個人的には考える機会ももらい、こんな素敵な経験をさせてくれた子どもたちには感謝しかありません。
次の絵も…
スタッフ間で、壁に紙を貼るのは続けてもいいかもしれない、と話が出て、模造紙ほどの大きさではないのですが別の紙を貼ってみました。
まだほとんど描かれていないのですが、今回は「大好きの木」というわけでもなく、何も決まっていないので、今のところまだルールも書かずに貼ってみています。
どうなるのかなぁと見守るのを楽しみにしています。
「大好きの木」もまたやってみたいなと思いつつ、事業所全体がみんなの大好きで溢れる場所にしたいなぁと思っています(^^)
池之上
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