本を読んでいると「文章にしてアウトプットしたい!」と思うことが多々あるのですが、大体はそのとき考えたことをメモすることよりも、読み進めることのほうが優先されます。
だから書こうと思ったときには書きたいことが曖昧です。
すごくもったいないなぁと思っています。
読んだ瞬間に書き出せば、記憶が鮮明なうちに書き出せば、きっと自分の学びになるのに、と。
私の場合、インプットしてばかりでアウトプットが疎かになることが続くと、なんだか頭がスッキリしない、ずっとモヤモヤしている状態が続きます
でもアウトプットの方が腰が重い。
よっこいしょ!さあやるぞ!くらい気合いを入れないと書き出せない。
代わりに書き出すと止まらない。
アウトプットし終えると、頭が整理されて何かから解放された気になります。
さて、前置きが長くなりましたが、今日は私がずっと書きたかったけど考えることが多すぎて手をつけずにいた、大好きな作家さんについて書かせてください。
カツセマサヒコさん
何でこの方を知ったのか、全くというほど覚えていないのですが、最初はTwitterで「タイムラインの王子様」なんて名称がついていた、なんとなく読みやすい文章を書いているライターさんでした。
カツセさんが書く読みやすい文章がとにかく好きで、記事がどれだけ興味のない分野でも「カツセさんの文章は読もう」みたいな気持ちで読み漁っていました。
元々はwebライターでしたが、2020年6月に『明け方の若者たち』で小説家としてもデビュー。
本好きの私は大歓喜。人生で初めてのサイン本まで手に入れました(笑)
映画化もされて、すごいなぁ、と思っているうちにまた本が出て…共著なども合わせると今では10冊ほどの本が出ています。

好きな本だらけで、書き出したら止まらないのですが、その中でも考えさせられた2冊を紹介させてください。
『傷と雨傘』
2025年1月に発売された最新作です。

34もの物語が詰まった短編集。
短編集ですが、登場人物同士に若干の繋がり(前の話に出ていたお店の定員さんの話にうつる、など)があり、世界は誰も主人公じゃないけどみんな主人公だなぁと感じさせられます。
物語が34もあるので、お気に入りは〜…なんて絞れないのですが、帯にも書かれている序文の一部を紹介させてください。
“どうか、どうか。
あなただけの傷や 痛み 寂しさよ、 誰かをまもる 雨傘になれ”
ここだけを紹介しても、何も伝えられない気もしているのですが…
例えば、
ゲーム実況のYouTuberが、自分の壮絶な生い立ちを何気なく話しながら配信したときに、配信した側は「暗い話になっちゃったなぁ」と思っていた。
でも蓋を開けてみれば視聴者からは「自分の過去を思い出して泣けました」「辛い思いをしているのは私だけじゃないんだって救われました」なんてコメントが入っていた。
みたいなお話が入っています(紹介が雑すぎる)。
うまく伝えられないことだらけなのですが、この序文がとても好きで、この言葉から色々考えるだけで心がホッとする自分がいます。
私の日々の出来事も、誰かの雨傘になれたらいいな、なんて思うのです。
『ブルーマリッジ』
こちらは2024年6月に発売。
発売されてすぐ買ってすぐ読んで、今までで一番と言っても過言ではないくらい色々考えた本でしたが、あまりにも内容が重たくて今日まで手をつけられませんでした。

題材は「無自覚の加害性」。
読了後は、年齢も性別も環境も関係なく、全人類が読んで考えて悩むのがいい、とまで思いました。我ながらめちゃくちゃなことを考えていたなぁと思います(笑)
題名にマリッジとついている通り、結婚がテーマにはなっているのですが、身近な人に対するパワハラや男女差別などの話が絡んできます。
これまで生きていて、人に対して一度も加害をしたことがない、という人はいないと思います。
悪意がなくとも、一つの行動、一つの発言が、他者を傷つけていることがある。
それに気づいた人が、その事実を、罪を、どう受け止めてどう背負ったまま、これからを生きていくのか。
読み終えたときには、これまで生きてきたことも、これから生きていくことも、とても恐ろしくなりました。
自分の何気ない言動一つが持つ加害性を、ずっと意識しながら過ごしていきたいなと思います。
しばらく悩む勇気のある方はぜひ読んでいただきたいです。
終わりに
重たい本を紹介してしまいましたが、カツセさんの作品全部が重たいわけではありません。
茨城県立歴史館にて開催された「なぜ恋してしまうのか?展」にエッセイを出しているような方です。ハートフルです。(行けなかったから中身は知りません。)
あと、重たい題材でも読みやすい。
普段本読まないよ〜なんて人ほど、一度カツセさんの本を手に取ってもらいたいな〜なんて思っています。
うまくまとまらないまま書き終えてわかったのは、今回は私がアウトプットしたいだけのブログでした!
最後まで読んでくださった方がいたら、お付き合いいただきありがとうございました^^
池之上
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