好きな人には会いに行く 2
更新日:9月25日
以前初めてお会いして嬉しくなったカツセマサヒコさんに続けて、今回も高校生の頃から大好きな夏生さえりさんに初めてお会いしてきました!
ツイッターから始まり、web記事や広告、書籍などいろんなところに素敵な言葉を発信している人でした。
最近は気づいたら脚本家さんになって映画まで作っていて、したいことを突き詰めていくと活動の範囲はこんなにも広げられるものなんだなぁと驚きました。
これまでも『MONDAY』『超かぐや姫』などを出されているのですが映像媒体はなかなか手が出せず…どこかで見る機会を作りたいなと今はまだぼんやりですが思っています。
今回は、さえりさんが携わった映画『見えない娘』が内容的にもとても気になり、さらにその舞台挨拶にさえりさん本人が来る!という機会に恵まれたので出かけてきました!

もしも生まれた娘が透明人間だったら?
映画『見えない娘』は、3姉妹の末っ子ひかりちゃんが生まれたときから透明人間、というお話です。
朗らかに育ててきたお母さんの存在もあり、長女風子ちゃん、次女音々ちゃんはそれを当たり前のように受け入れて一緒に過ごしています。
お母さんが他界してしまった後、心配性のお父さんは娘たちを人目から隠すように暮らしていたのですが、祖母の入院をきっかけにみんなで東京へ出かけることになり…
4人家族で旅に出て、透明人間であるがゆえに人を驚かせてしまったり、迷子になってしまったりとハラハラドキドキながらもとってもハートフルな物語でした。
私も心配性なほうなので、上映中はずっとお父さんに共感。
自由奔放な3姉妹の行動にひやひやしたりイラっとしたりホッとしたり、感情が大忙しでした(笑)
透明人間に出会ったことはない(と思っている)のですが、相手が透明人間だからではなくいつでも大切にしたいことがたくさん詰まっていました。
「全部を知らなくても、きっと大丈夫」
テーマは「消えない絆」だそうで、いろんなパターンの脚本が出来た中でもずっと「絆」や「目に見える事だけがすべてではない」ということを一貫して大切にしていたそうです。
透明人間、と言われると急に見えなくて心配になりますが、内面が見えないのは何も透明人間だけではありません。
私も日々目の前の子どもたちのできるだけ知りたいと思っていますが、見ているからとてどう頑張ってもすべてを知ることは出来ないなぁと思います。
映画のパンフレットにも、さえりさんの言葉でこんな思いがつづられていました。
「親から見る子どもって、小さい頃は何でも話してくれて、何でも分かっていたような気がするものです。でも成長するにつれて、知らないことや分からないことが少しずつ増えていく。聞いても答えてくれないことがあるし、嘘をつくことだってある。子どもの立場になれば、その気持ちも理解できます。でも親の立場からすすると、心配で仕方なくて、できるだけ何もかも把握しておきたくなる。そんな葛藤と軋轢の先で、「全部を知らなくても、きっと大丈夫。」と思えるようになれたらいいのかなって思っています。」
舞台挨拶でもこのテーマについてたくさんお話ししてくれていました。
映画を観て、お話を聞いて、パンフレットを読んで、だからさえりさんが好きだなぁと思いました。
以前本にも「人のことは、わからない」と書かれており、お気に入りのお話の一つです。
透明人間と違って物理的には見えていますが、その人の頭の中まではみえなくてわからないもの。
どんな関係性においても他者との関わりは「わからないこと」の連続ですが、
「分からないままでも、そばにいようとするのが愛かもしれないと思っています」
という言葉に心が温まりました。
そのままでいること、そのままを受け止めること
旅の中でいろんなトラブルに見舞われた後、お父さんが「ひかりが見えるようになってからくればよかった」という言葉に、風子ちゃん音々ちゃんが「今更?」と言い、ひかりちゃんが「これが私だよ」と言うシーンがありました。
終盤では、自分が透明人間なことが好きだから見えるようになりたいと思わない、と言い切るひかりちゃん。
(人の近くを通った時に、自分が風になったような気持ちになれる、相手からは見えないためみんなが本当の自分で過ごしているのが見られて楽しいから好き、だそうです。透明人間になってみたい。)
この3人の見えている世界はなんて素敵なんだろう、と思ったし、この世界を素敵だと思うのではなく当たり前と思えるようにしたい、と感じました。
くもとそらは、子どもたちにもスタッフにも「そのままでいいんだよ」と伝えたい場所です。
でも時折「じゃあそのままってなんだろう?」という話になります。そのままでいることって意外と難しい。
私にとっては『見えない娘』を観たことが、そのままに近づく1歩だったと感じました。
ひかりちゃんには「透明人間」というわかりやすい違いがありますが、人間それぞれ見た目も性格も考え方も十人十色な中で、
・自分の持っているものを「これが私」と受け止めていること。
・そんな自分の事を好きだと言い切れること。
・周りが「それがあなただよね」と当たり前に感じていること。
・その形でどう過ごそうか工夫していること(透明人間と暮らすためのグッズがたくさんあって面白かった!)。
これが「正解」とは思っていませんが、私の中で改めて大切にしたい事がぎゅっと詰まったお話でした!
想い続けること
「見えない絆」は透明人間だから見えないというだけでなく、他界してしまったお母さんの想いが子どもたちの中に引き継がれていることなども含まれていました。
見えても見えなくても、近くにいてもいなくても、心はずっとそばにいたいと願うことが愛なんだなぁと感じさせられました。
くもとそらに来てくれている子どもたち、これまで来てくれていた子どもたち、会う機会は少しずつ減っていってしまいます。
とても寂しいことではありますが、私の中では会わないからおしまい、ではなく、ずっと幸せを願わせてほしいです。
ずっと味方でいたいし、いざというときにはどこへだって駆けつけたい。
観に行った帰りにそんなことを考えて涙がこぼれたいい日でした。
池之上




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