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くもとそらにある絵本

くもとそらには、絵本や漫画、図鑑など、いろんな本が置いてあります。

その多くが、くもとそらと繋がってくださった方々から頂いたものです。


「うちの子はもう読まないから」

「くもとそらにいる子たちにいいと思って」

と、ご自宅での役割を終えたことを伝えてくれました。


本が増えることも嬉しいのですが、それ以上に、日常で不意にくもとそらを思い浮かべてくれたことがありがたいなぁと感じています。


そして頂いた本を眺めていると、その本を買って我が子に送ったそのときの想いが見えてくる気がして、とても温かい気持ちになります。


そんななかで、最近目に留まった絵本を2冊紹介させてください。


『教室はまちがうところだ』

くもとそらで一緒に宿題に取り組んでいると、まちがえてしまったときに泣いたり怒ったりする子に出会います。


「まちがいっていうのは、自分が知らないことを見つけたっていう大発見だよ!」

なんて言ってみるのですが、じゃあいいか、とすぐ切り替わる子はあまりいません。



そんなときに「いつ、まちがいは嫌なものって決まったんだろう」と考えます。

「そもそも、それがまちがいだってどうやって決まるんだろう」とも考えます。


この絵本は、教室での授業の話をしていることから、正解がある問題の正解以外の答えを“まちがい”として、話が進んでいきます。



“教室はまちがうところだ”


“まちがった意見を言おうじゃないか”


“ああじゃないかこうじゃないかと みんなで出しあい言いあうなかでだ ほんとのものを見つけていくのだ”


と、みんながまちがえても大丈夫と伝える言葉が続いています。



途中、「まちがえたらどうしよう」と緊張している子の描写も出てきました。


そのページを見ながら、こんな気持ちで宿題をしていたのかもしれない、と考えさせられました。


「いつ、まちがいは嫌ものって決まったんだろう」と考えるとき、人それぞれ“いつ”は違うと思うのですが、「私の言い方で感じさせてしまう(しまった)かもしれない」を常に頭に入れて言葉を発していきたいなと思っています。



宿題のまちがいを伝えるときにも、いろんな伝え方をしています。

教室がまちがうところなら、宿題はまちがうものです。


そもそもまちがってもそのまま学校に持って行っていい。

くもとそらでまちがいを伝える必要がない、とも言えます。


でも中には「まちがえたまま持っていきたくない」「まちがえないように最初から教えてほしい」という子もいます。


その思いも尊重したいなと思っています。

「まちがえても大丈夫」は、そう思いなさいと強要するものではありません。



なので、そもそも教えてほしいと思っているのか、何をどこまで教えてほしいのか、丁寧に希望を聞いてから対応できる、そんな先生でありたいです。



ある子が、この絵本の一部をプリントで持ち帰ってきており、それが宿題となっていました。

新学期最初の音読にこれを選んだ先生の思いがこもっているなぁ、この絵本を買ったご家族様もきっとお子さんに「まちがえても大丈夫」と伝えたかったんだろうなぁ、と感じました。


『おこだでませんように』

この絵本には、家でも学校でも怒られてばかり、と感じている男の子が出てきます。


ほめてもらいたい、そんな気持ちから良かれと思って動いたことが裏目に出てしまったり、先に相手から何かをされて嫌な思いをして、仕返ししてしまった部分だけ切り取られてしまったり。


怒られると黙っているのですが、心の中には「〇〇なのに」と怒られる行動をした理由など、その子の想いが詰まっています。


でも、その気持ちを口に出したら、お母さんや先生はもっと怒るに決まってる、だから黙って横を向く、そんなお話です。



“ぼくは どないしたら おこられへんのやろ。 ぼくは どないしたら ほめてもらえるのやろ。 ぼくは……「わるいこ」なんやろか……。”



そんな心境を読んで胸がぎゅっとしました。



怒る、叱る、注意する、など言い方はいろいろありますが、今回はそこは置いといて。

怒られる行動、は確かにあると思います。


特に、暴力をふるってしまった、暴言を吐いてしまった、などの人を傷つける行動は、怒られることが多いです。


その瞬間の行動は、確かに良くなかったかもしれない。

でも「よし、怒られよう!」と思ってその行動を選んだ、という子はあまりいません。

別の理由があることが多いです。


その行動に対しては最終的に怒られるとしても、その理由を聞いてもらえるかどうかは、その後の話の受け止め方が変わる感じています。



よくない行動をしてしまった、は子どもたちが一番感じていて、その理由を話すのには勇気もいると思います。


私も「今の言動は良くなかったな」と思うと、その子に理由をお話しして謝るのですが、その瞬間は緊張しています。


「あ、そうだったんだ。僕は○○と思った。先生こういえばよかったと思う。」と受け止めてお話ししてくれる子が多く、その温かさにたまに涙も出ます。笑われます(笑)


そんな場面では子どもたちが私の先生です。



そんな子どもたち(先生)の姿に学びながら、自分が先生になるときには「話してくれてありがとう!」と気持ちを温かく受け止めてから、一緒に考える形でお話しできる、そんな先生でありたいです。



本を読むこと

冒頭に、その本を買って我が子に送ったそのときの想いが見えてくる気がして、と書きましたが、私が勝手に感じているだけで全然違うかもしれないし、受け取り方によっても大きく異なると思います。


くもとそらに素敵な絵本が置いてあるからとて、全員が本を読むわけではありません。


それでもこの温かい絵本たちが、くもとそらにあることが、私自身の心の支えになっていて、嬉しいなぁと思うのです。


自分で温かな気持ちになれる、こんな便利なものはないなぁと思いながら、これからも本を読むのが楽しみです(^^)




池之上

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